2011年3月27日(日)「しんぶん赤旗」
みんなを救って もとの生活に
志位委員長に要望相次ぐ
東京・神奈川の原発事故避難所
日本共産党の志位和夫委員長は26日、東日本大震災で放射能漏れ事故を起こしている福島第1原発周辺の住民が避難する東京都と川崎市の2施設を訪問。食料など支援物資を届けるとともに被災者の声に耳を傾けました。被災者からさまざまな悩みや要望が出されました。
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都内の味の素スタジアム(調布市)には、福島県いわき市の住民など67世帯180人が避難。家族5人で避難してきた福島県浪江町の女性(47)は「生活費も身分証明書ももたず避難してきました。津波で家も漁船も失い、この先地元に戻れるか、仕事があるかもわかりません」と、志位氏に訴えました。
女性が、「友人も安否不明ですが、原発の問題があって現地の情報がまったくない。みんなバラバラになってしまった。早くもとの生活に戻りたい」と語ったのに対し、志位氏は、「まずは地域のみなさんの安否がわかるようにするとともに、みなさんが避難所で体をこわさず、もとの生活に戻れるよう、私たちも力をつくします」と励ましました。
川崎市のとどろきアリーナには、原発事故で「避難」や「自主避難」地域などに分かれた南相馬市を中心に1歳から90歳まで107人が避難しており、被災者が「地震、津波に続き、原発事故と本当にショックです」(同市の男性)と口々に窮状を訴えました。
同市のトラック運転手(42)は、「まだ市内にたくさんの人が残っています。政府は原発から20キロ〜30キロ圏を『屋内退避』から『自主避難』に変更しましたが、高齢に加え燃料不足で個人レベルでの避難は無理。国は『避難』なら『避難』と早く決めてもらわないと困る。みんなを救ってください」と訴えました。
小学生の子2人を連れて家族で避難してきた女性(39)は、「息子は今度、中学の入学式だったのに小学校の卒業証書ももらえずショックを受けています。子どものために、よろしくお願いします」と訴えました。
こうした声をうけ志位氏は「原発問題では危機の収束のために全力をつくすよう求めています。それまでの間、公営住宅、民間住宅の借り上げなども提起して、みなさんが安心して生活できるよう努力したい。復興に向けては、現在、全壊でも300万円にとどまっている支援の大幅な引き上げを求めていきたい」と心を込めて語りかけました。
東京では、大山とも子都議と雨宮幸男、武藤千里、岸本なお子の各調布市議が、神奈川では、むねた裕之県議予定候補、ちくま幸一、市古てるみ、おおば裕子の各川崎市議が同行しました。