2011年3月27日(日)「しんぶん赤旗」
希望の調べに涙
仙台フィル 無料コンサート
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東日本大震災からの復興に役立とうと、仙台フィルハーモニー管弦楽団は26日、無料コンサート「鎮魂、そして希望」を仙台市で開催しました。100人が来場し、調べに心を和らげました。
バーバー「弦楽のためのアダージョ」、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」など6曲を演奏し、最後は「ふるさと」を来場者全員で合唱しました。
親子3人で訪れた女性(40)=仙台市宮城野区在住=は、目を赤くはらし、「今までの緊張が取れて、涙があふれました」。夫(39)は、「来週には、延期されていた息子の卒園式が行われます。頑張っていきたい」と話しました。
指揮者の佐藤寿一さんは、「悲しみや苦しみは絶ちがたいが、前を向いて進んでいこうと思いを込めます」とあいさつしました。
「アヴェ・マリア」で共演したソプラノ歌手の菅(すが)英三子(えみこ)さんは、「懸命に生きている方たちに寄りそい、明日への支えになりたい」と述べました。
仙台フィルは今後、「音楽の力による復興センター」を立ち上げ、被災地や避難所を訪ねてコンサートを開催していくことにしています。