2011年3月27日(日)「しんぶん赤旗」
東電、作業員に危険伝えず
「6日前に知っていた」
「被ばく防げた」と謝罪 福島原発
東日本大震災で被災し、深刻な状況が続く東京電力福島第1原発(大熊町、双葉町)3号機のタービン建屋地下の水たまりで24日に作業員3人が被ばくした問題で、東電は26日、18日に他の号機のタービン建屋地下で水たまりを見つけ、高い放射線量を検出していたのに、現場の作業員に知らせていなかったことを明らかにしました。東電は、「しっかりと注意喚起していたら、今回の被ばくは防げた」と謝罪しました。
18日に高い放射線量が検出されたのは2号機のタービン建屋地下。東電社員と関連企業の作業員の計2人が原子炉などに真水を送るための復水移送ポンプ(補給水系)の点検作業を行った際、個人線量計の数値が約5分間で50ミリシーベルトに達したため、作業を中断して退避しました。この際、水たまりがあったといいます。
午前中の会見では、1号機と発表していましたが、夕方の会見で2号機だったと訂正。さらに、25日に、1号機タービン建屋地下1階の水たまり表面で1時間当たり約200ミリシーベルトの放射線量を検出したと発表したのは約60ミリシーベルトの間違いだったと訂正しました。東電の発表そのものの信ぴょう性が疑われる右往左往ぶりに批判が高まっています。
東電によると、1号機タービン建屋地下の水たまりの水にも、運転中の原子炉の水の1万倍に相当する放射能が含まれていました。東電が分析した結果、放射性物質の塩素38、ヒ素74、イットリウム91、ヨウ素131、セシウム134、同136、同137、ランタン140が検出されました。放射能の濃度は水1立方センチ当たり約380万ベクレルで、3号機と同レベルでした。
タービン建屋地下に水がたまっている状態はこれまで1〜4号機で確認されており、1号機では深さが最大40センチ、2号機は深さが最大1メートルあるといいます。
東電は26日、タービン建屋地下にたまった水の排出作業に着手。1号機ではポンプを使用し、同じタービン建屋内の別の場所に移し始めました。また、1、3号機に続いて2号機でも、消防ポンプによる原子炉への真水を注入。真水には核分裂反応を抑えるホウ酸を混入、2号機の中央制御室も26日、照明が点灯しました。