2011年3月26日(土)「しんぶん赤旗」
巨大港湾やめ災害復旧に
衆院国交委穀田氏質問 京浜などへ327億円投入批判
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東北地方の港湾が壊滅的被害を受ける中、巨大港湾開発に巨額の税金をつぎ込むのか―。日本共産党の穀田恵二議員は25日の衆院国土交通委員会で、政府が進める「国際戦略港湾」事業を見直し、その予算を災害復旧に回すよう求めました。
大震災では青森県から茨城県にかけての重要港湾14港が機能停止に陥り、復旧には1兆円を上回る費用が予想されています。一方、審議中の港湾法改定案では京浜や阪神の5港を国際戦略港湾に指定し、2011年度予算で514億円(国費327億円)を計上。水深16メートルの岸壁などに2020年まで約5500億円を投入します。
穀田氏が「国民生活を立て直す上で物流や漁業の拠点となる港湾を一刻も早く復旧すべきだ。国際戦略港湾事業予算は災害復旧に回すべきだ」と求めたのに対し、大畠章宏国交相は「震災対策も大事だが、同時に日本の経済力を衰退させては困る」と答弁しました。
穀田氏は、1990年代の「大交流時代を支える港湾」(事業費約7・5兆円)や2000年代の「スーパー中枢港湾」(約5100億円)でも“アジア諸港に奪われた貨物を取り戻す”としていたが、そうならなかったと指摘。今回は保障があるのかとただすと、大畠国交相は「確約はできない」と述べざるを得ませんでした。
穀田氏は、スーパー中枢港湾などに予算をつぎ込む一方、港湾や海岸の安全を確保する事業費が減らされてきたことをあげ、「港湾政策は国民の命と安全を守ること、大都市集中でなく地方の活性化・再生を根本に据えた転換が必要だ」と強調。大畠国交相も「同感だ」と応じました。
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