2011年3月25日(金)「しんぶん赤旗」

避難所のエコノミークラス症候群

この運動で無理なく予防

国立健康・栄養研究所


 独立行政法人国立健康・栄養研究所は、避難生活におけるエコノミークラス症候群や自立度低下を予防するための運動を作成しました。

ストレス解消にも有効

 寒さが続く被災地では、高齢者が毛布にくるまったまま寝たり、座ったりする姿が目立ちます。こうした状況は、血液が凝固し血管を詰まらせるエコノミークラス症候群や、体力の低下に伴う自立度の低下を引き起こす危険性があります。

 今回作成した運動は、こうした症状の予防やストレス解消に役立つもの。「無理せず、できるところからやってみてください」と話しています。

 (1)つま先を手前に向けたり、倒したりを、ゆっくり左右5回ずつ繰り返す。

 (2)ひざを両手で抱え込み、太ももの前面を胸に近づけるように膝を手前に引く。1回10秒ぐらいを左右の足で3回ぐらい繰り返す。

 (3)背伸びをするように5秒間、手足を大きく伸ばした後、脱力する。3回繰り返す(スペースがあれば寝転がって)。

 (4)首を時計回りと反時計回りにゆっくり回す。3回繰り返す。

 (5)ゆっくり起き上がる。

 (6)ゆっくり丁寧に体の動きを意識しながら、身の回りの布団や毛布、荷物などを片付ける。

 (7)ゆっくり歩き始め、周りの歩ける範囲を歩く。

 (8)胸を開きながら、ゆっくり深く息を吸い込む。胸を閉じながらゆっくり吐き出す。2回繰り返す。

 ※できれば1日2、3回程度。ふくらはぎや太ももをもむといったマッサージも有効です。運動だけでなく適度な水分補給も不可欠です。

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