2011年3月25日(金)「しんぶん赤旗」
原発事故 人災と自覚し対策を
参院環境委 市田氏が迫る
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日本共産党の市田忠義参院議員は24日、環境委員会で福島第1原発の事故にかかわり、「当面は危機を収束させるため、あらゆる知恵と能力の総結集を図るのがカギだ。同時に、重大事故は絶対に起きないと安全神話を振りまき、安全対策をなおざりにして原発をやみくもに推進してきた原子力行政による人災だと自覚して対策を講じてもらいたい」と述べました。
市田氏は、1960年に起きたチリ地震級の津波で冷却設備が機能しないことが指摘され、日本共産党や市民団体が繰り返し改善を求めてきたにもかかわらず無視してきたことを批判しました。
質疑で市田氏は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの積極的な活用を求めました。原子力安全委員会事務局の小原薫規制調査課長は積極的に活用していく考えを示しました。
市田氏は、正確な情報提供と丁寧な対処法の説明、健康相談体制づくり、日本海側にしかない環境省の放射線計測器を太平洋側にも設置することなども提起しました。
近藤昭一環境副大臣は「正確な情報をすべて公開していく。公開する上で国民に届くよう努めていく」と答弁。監視体制の見直しについては「重要な指摘として受け止めさせていただく」と述べました。
また、市田氏は被災地に必要な数のトイレの確保や廃棄物処理を自治体任せにせず国が支援を行うべきだと要求。近藤副大臣は廃棄物処理に対して「国が全面的にバックアップして、財政的にもできる限りのことをしていく」と述べました。