2011年3月24日(木)「しんぶん赤旗」
原発事故は人災 原因除去を一刻も早く
福島・旧小高町の町長を務めた
江井績さん語る
原発事故で避難指示が発令された福島県南相馬市の旧小高町(現小高区)町長を2期6年間務め、民主町政を進めた江井績(えねい・いさお)さん(69)に話を聞きました。江井さんは震災後、16日まで区役所や市役所で現地対策に奔走し、いまは仙台市宮城野区内の長男夫妻宅に避難しています。 (松田大地)
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一番困っているのは、屋内退避の地域にも物資が入らず陸の孤島になっていることです。救出・復旧作業も止まっています。原発事故は人災です。政府が避難対策などで対応できていないため、ばらばらに避難した多くの市民について市役所は把握できていません。
着の身着のままで避難して「金が尽きた」と相談する電話が市役所にきました。あまりに悲痛です。20キロメートル圏外でも、いつ家に戻れるのか。
原発から10・20・30キロメートル地点にどれだけの放射線が出ているのか、きちんと検査すべきです。情報も、政府が一本化しないと不安をあおるばかりです。
農作物など、2次、3次被害はこれからたくさん出てくるでしょう。福島原発を一刻も早く修復・改善して、事故原因を取り除くべきです。廃炉にしても構いません。放射能が飛び散らないようにして、避難者が家に本当に戻れるのかどうか明確にしてほしい。
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