2011年3月24日(木)「しんぶん赤旗」
東京都内の施設、期限は今月末…
避難の透析患者に不安
東日本大震災で被災した人工透析患者が東京都に避難しています。都はひとまず都内の3施設に医療スタッフと家族を含む約400人を受け入れましたが、期限付き。患者たちは、この先どうなるか不安を募らせています。
患者は、各施設から、日本透析医会災害情報ネットワークのあっせんで設備のある都内の病院に通っています。患者の多くは親戚の家などに移りましたが、23日現在、約170人が引き続き避難生活を送っています。渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センター(75人が避難)の滞在期限は24日まで。他の2施設も3月末までです。都は期限後については「現在、調整中」としています。
日本共産党の大山とも子都議の問い合わせ(23日)に都は「場所は引き続き確保する」と回答しました。
日本青年館には、福島第1原発の事故で退避指示が出た地域からの患者がいます。富岡町の女性(64)は、被災したときのパジャマのまま。「一銭も持っていません」と話します。病院の患者、スタッフとともに、いわき市の病院に避難したものの断水と薬不足で透析が受けられませんでした。
同じ部屋に入っている女性(66)には、妹(61)=富岡町=が付き添います。「家にも戻れない。4月からどうなるのか。住宅に入れたとしても医療機関までの交通費は自費を覚悟してくださいといわれた。残りのお金はわずかです」と不安を語ります。
「4月以降は、どうすればいいのか」。患者たちは口をそろえます。同じく福島第1原発からの退避指示のでている楢葉町の男性(60)は「一番心配なのは、病院の近くに住まいが探せるか。お金もないし、役場もない。どこに相談していいのか分からない」と寂しそうに語りました。(鎌塚由美、斎藤瑞季)