2011年3月24日(木)「しんぶん赤旗」
カダフィ軍 攻撃強める
リビア
【カイロ=伴安弘】リビアのカダフィ政権軍は22日、首都トリポリ東方200キロのミスラタ、チュニジア国境付近のジンタンなど西部での攻撃を強めました。一方でカダフィ大佐は約1週間ぶりに姿を見せ、米英仏軍の軍事攻撃を非難、「われわれは最後には勝利する」と述べました。
報道によると、ミスラタではカダフィ軍がこの1週間、市を包囲し、戦車で市内を砲撃。21日だけで反政府側・住民40人が死亡しています。22日には13歳の少年ら4人の子どもが家から逃げようとして車に乗り込んだ際に砲撃を受け死亡しています。同市の医師は「病院の状態は最悪だ」と語っています。
西部ではジンタンと、トリポリ南西130キロのヤフランもカダフィ軍の攻撃を受け、それぞれ10人が死亡したと伝えられます。
首都への進軍をめざす反政府勢力はアジュダビアの郊外でカダフィ軍の戦車に阻まれているといわれます。
カダフィ大佐は22日夜、トリポリの陣地で支持者を前に約3分間演説。国営テレビがこれを放映しました。同氏は米英仏軍の攻撃を「イスラムに対する十字軍諸国の新しい十字軍の戦闘」と描き、「すべてのイスラム軍はたたかいに参加しなければならない」と主張。「このファシストによる攻撃は歴史のゴミ箱に捨て去られるだろう」などと述べました。
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