2011年3月24日(木)「しんぶん赤旗」
主張
いっせい地方選挙開始へ
未曽有の大災害に立ち向かい
東日本大震災で亡くなった人が、警察の発表で1万人に迫りました。最近の大震災では、1995年の阪神・淡路大震災で亡くなった6434人を大幅に上回ります。
地震の発生から10日以上たっても、行方不明者が1万人をはるかに超します。かつてない事態です。避難した人からも亡くなる人がでています。地震と津波で大きな被害を受けた東京電力福島第1原発での重大事故も、なお予断を許さない状態です。文字通り時間とのたたかいです。大震災の救援と被災者への支援に、総力をあげることが求められています。
被災地の惨状つづく
現地から伝えられる被災地の惨状は、ことばでは言い表せないものがあります。亡くなった人が多すぎて火葬が間に合わず、いったん土葬にすると仮埋葬を始めた地域もあります。遺体が見つかっても家族が被災しているため身元の確認さえままならず、安置所もあふれるほどだと伝えられます。亡くなった方とご家族に、心から哀悼のことばを届けます。
津波で時には数キロも流され、跡形もなく壊れた住宅や、町全体が壊滅し、更地のようになってしまった被災地…。そのがれきの中に1万人をはるかに超す行方不明者が残されていることを思うと、胸がつぶれるというほか、ことばが浮かびません。
それでも、被災から何日もたって生存が確認されたというニュースには励まされます。ひとりでも救出される命があればと、奇跡を信じないわけにはいきません。同時にせっかく地震や津波で助かった命が、その後の避難生活や、原発などの二次災害で損なわれることがないよう、切に望みます。
未曽有の大災害となった東日本大震災の被災者の救援と支援は、被災地とその周辺はもちろん、日本全体、国民全体にとっての課題です。被災地で不足しているガソリンや食料などの支援物資を一刻も早く届けること、広域的な支援や避難の受け入れ、災害の規模にふさわしい仮設住宅の建設などを進め、生活と地域の再建に結び付けていくこと、なによりも全国で復興支援の募金に取り組むことなど、急いでやるべきことはたくさんあります。
日本共産党は、国民の苦難を打開する「立党の精神」の本領を発揮し、被災者の支援と、被災地の復興のために、これまでも今後も、全国で力を尽くしていきます。
政治のあり方を問う
大災害のなか、24日には東京、北海道など12都道県の知事選が告示され、いっせい地方選挙が始まります。岩手県知事選など被災地の選挙は延期が決まりました。
日本共産党の志位和夫委員長は23日の全国決起集会で、国民的なエネルギーを発揮して被災地の支援と復興をやりぬくとともに、戦後最大の国難の打開を通じて新しい社会をつくるきっかけになる選挙にすることを訴えました。
選挙では未曽有の大災害の中で、国と地方の政治のあり方、政党の態度が問われることになります。復興に国の総力をあげて取り組むこと、原発に依存しないエネルギー政策に転換すること、福祉・防災の町づくりを進めるなど問われる課題はたくさんあります。
戦後最大の国難打開のため、被災者支援と選挙勝利にともに力を尽くそうではありませんか。
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