2011年3月23日(水)「しんぶん赤旗」
農民連が連日支援
軽油出し合い、燃料確保
炊き出し・救援物資広範に
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農民連(農民運動全国連合会)は、被災地への救援物資と炊き出しを連日おこなっています。不足しているトラック燃料は、春の農作業用の軽油を出し合って確保しています。物資の積みかえ中継所などを用意して広い範囲の被災者支援に対応しています。
送り方を徹底
農民連災害対策本部は、「救援物資の送り方」を地方組織に徹底しています。今回は複数県にわたる被災地支援であり現地で必要な物資が異なるとしています。
(1)必ず「救援物資持ち込み表」を提出し、必要な品目と量を現地と調整する(2)段ボールに混載はしないで商品分類、仕分けをやりやすくする(3)被災地に届ける時間がかかることを考慮することが必要としています。
山形県の庄内農民連は19、21の両日、200人分が料理できる大鍋をもって津波で壊滅的被害をうけた宮城県東松島市に支援に入りました。プロパンガス用の大鍋は、連携しているJA鶴岡市農協から借りたものです。
鶴岡市でも燃油状況は悪くガソリンスタンドは休業状態。庄内の農民連会員に呼びかけたところ、トラクター燃料の軽油の在庫をカンパしてくれたといいます。
鍋の材料の豚肉、野菜は出発前に女性会員中心に切りそろえました。水が貴重だと判断し、無洗米を用意しました。
支援の中心となった菅井巌会長は、「今日のご飯は『おいしい』といわれてよかったが、支援と復興は長期的になる。募金をふくめその覚悟で活動をしたい」と語ります。
宮城県の支援には、秋田県農民連も力をいれています。20、21の両日には米や野菜、日用品とともに木炭も運びました。北海道在住の白石淳一農民連会長も同行し、支援物資を届け激励しました。
受け入れ整備
宮城県のほか岩手県、福島県、長野県の農民連は、独自に農産物を支援するとともに受け入れ態勢を整えています。関東の農民連組織は福島県を中心に支援、宮城県や岩手県には日本海側の近県が支援物資を送っています。輸送ができなかった北海道も25日までにはジャガイモ、タマネギ5トンをJR貨物便で岩手へ運ぶことにしています。
被災地に遠い関西の農民連は、民間の宅配業者に委託して長野県まで物資を届けます。そこで物資を積みかえ、震災被害が大きい同県栄村へ支援するとともに、東北各地に送ることになりました。