2011年3月21日(月)「しんぶん赤旗」
避難長期化 深刻な事態も
医療支援の状況語る
大阪 民医連近畿地協
|
東日本大震災への支援活動にとりくむ全日本民医連・近畿地方協議会(責任者・松本久耳原総合病院院長)の第1、2陣医療支援団は20日、大阪市で現地のリアルな状況を報告しました。各府県の医師・看護師ら14人が参加しました。
近畿地協加盟の病院は12日から18日までに医師や看護師、事務など54人を宮城県塩釜市の坂総合病院へ派遣。現地スタッフと連携して、被災地の病院でのトリアージ(救急外来)や避難所での健康相談、診察などを行ってきました。
「診療が順番待ちでも文句を言わず他人を思いやる人間性や純朴さに胸が痛む思い」「トイレの回数を減らそうと水を飲まなかったことで下肢に力が入らず運ばれてきた70代女性に、1杯の水を差し出したら『おいしい』と大事そうに飲んだ」など一刻を争うなかでも人のぬくもりを感じる話が多くありました。
一方、薬不足による持病の悪化で救急搬送が今後出てくる恐れがあること、生き残ったことへの罪悪感からリストカットする30代の被災者など、時間を経るごとに深刻な事態が広がっています。
民医連理事の小松孝充・西淀病院院長は、菅直人首相に送る申し入れ書「被災地(者)支援対策強化のための緊急要求」の内容を説明。避難所への医療支援の継続、被災者への心のケア、全被災者への医療費一部負担金免除、必要な人員配置と情報提供などを求めています。