2011年3月20日(日)「しんぶん赤旗」
被災者「雨、雪怖い」
福島 被ばくの不安消えず
東電福島第1原発から50キロ以上離れた福島市内では、被ばくへの不安を日に日に募らせています。
19日午後2時すぎ。避難所となっているあづま総合運動公園に小粒のお天気雨が降り始めると、屋外にいた人たちは身をかがめて体育館の中へ小走りしました。
バスタオルとマスクで顔を覆い隠して避難所に退避した女性(55)は「やっぱり雨、雪は怖い」と声をひそめました。息子は東電社員。放射能に対する知識は備えているつもりでしたが、念には念を入れます。
市内の県立福島明成高校体育館で避難生活している女性(30)は、夫や5歳の子どもと県外への避難を考えていますが、ガソリンが手に入りません。
この日の福島市は15度を超える陽気でしたが、街なかでは厚手のフードを頭からかぶる装いの人もちらほら。
市内の放射能測定値(18日)は、毎時10〜12マイクロシーベルト。県は「健康に影響を与える数値でない」と説明していますが、不安はいっこうに打ち消せません。 (勝又秀人)