2011年3月18日(金)「しんぶん赤旗」

救援 不眠不休

現地の共産党 被災のなかで全力

岩手・陸前高田


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(写真)市立第一中学校の体育館で被災者の要望を聞く斉藤信県議(左端)ら=16日、岩手県陸前高田市

 東日本大震災で岩手県沿岸部の陸前高田市は、全世帯の6割を超える5千世帯が津波にのみこまれました。死者・不明者が1972人、小中学校や公民館などに避難している人は1万547人います(県発表。16日午後9時現在)。日本共産党の斉藤信県議は16日、ガソリンを調達して激励・救援のために現地へ入りました。

 海岸に近い地域には、押し流されず残った建造物は、数えるほどしか見えません。気仙川の両岸には、海岸の方向から津波で押し流されてきた車や押しつぶされた民家の柱や屋根が、泥と一緒に高く積み重なっています。

 斉藤県議は、最大の避難所になっている第一中学校、県立高田病院の臨時診療所などを次々訪ね、被災者の現状、要望を親身に、かつ懸命に聞き取りました。

 市立高田第一中学校の避難所では、佐々木保伸校長が事実上の責任者を務めていました。「家を失った職員や親と連絡が取れない生徒がたくさんいます。立ち直りをどう支えるか考えながら、避難されてきた被災者のみなさんが安心して居られるよう自治組織を立ち上げるなど全力をあげています」と話し、教員の4月の人事異動凍結を要望しました。

 同所に避難している70歳の女性は、市役所の屋上で津波が押し寄せるのを見ました。「市役所の若い職員が屋上へ誘導してくれたおかげで助かりました。でもその人は犠牲になった。私が身代わりになればよかった」。涙が頬を伝います。

 ボランティアの男性(28)は「連絡手段がないので、足を運ばないかぎり情報が入ってこないし、連絡もとれません。せめて携帯電話がつながれば…」といいます。

 廃虚になった街には、連絡がとれなくなっている家族や親戚、知人を必死に探す人たちがいました。自営業の男性は、「掘り起こす道具も燃料もない。ガソリンと重機が必要だ」。いら立ちを募らせます。

 多数の党員も被災し、事務所も流失した同市の日本共産党は、震災直後から住民の中に入り、安否の確認、不眠不休の救援活動を続けています。

 藤倉泰治市議を本部長に現地災害対策本部を立ち上げました。前市長の中里長門さんの自宅を拠点に被害の調査、救援をすすめています。大津波で家を失った大坪涼子市議は、米崎小学校の避難所で被災者支援に懸命に頑張っていました。

 携帯電話、固定電話が復旧せず、ガソリンや灯油が圧倒的に不足しています。以前、党気仙地区委員長だった吉田まちこ県常任委員らが党員を一人ひとり訪ねて安否を確認するとともに、避難所を一つひとつ訪問し励ましています。現状、足りない物資、要望をよく聞き、市の災害対策本部に伝えています。 (秋山強志)

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