2011年3月17日(木)「しんぶん赤旗」

震災対策 政府・各党が合同会議

市田書記局長、原発事故の対策提起


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(写真)与野党震災対策合同会議にのぞむ市田忠義書記局長(右から4人目)=16日、国会内

 東日本大地震にかんして政府と与野党が情報を共有し、意見や要望を交換する「政府・各党震災対策合同会議」の第1回会合が16日、国会内で開かれました。

 日本共産党は、市田忠義書記局長と穀田恵二国対委員長が出席し、ガソリン・燃料、食料・水の供給、情報提供など現地調査を踏まえた被災地の要望と、福島第1原発事故に関する要望(別項)を書面で提出し速やかな実行を求めました。

 松本龍防災担当相らと各党書記局長・幹事長らが参加しました。

 会議では、細野豪志首相補佐官が、原発事故について報告。市田氏は、事故対策のため原子力安全委員会をフル稼働させ専門家の力を総結集して対応すること、最悪の事態を想定して対策を講じることに加えて3点を要求しました。

 放射性物質の拡散対策のため、大学・研究機関などの協力を得て放射線のモニタリング体制を強化することやデータの速やかな公表、放射線量や被ばくの程度に応じた対策を住民に周知徹底するよう要請。

 また、福島県南相馬市など地震津波災害と原発事故で二重の避難を強いられている被災地が、「今後の体制や生活について何も示されていない」(同市長)と訴えていることをあげ、「遠く離れた郡山市まで物資を取りに来い、などという扱いを受けている。言語道断であり改善すべきだ」と求めました。

 さらに情報収集衛星が撮影した被災地の映像を被災自治体や救援にあたっている機関、研究者らに公開するよう求めました。

 市田氏は、各自治体の避難住民の受け入れ能力を掌握するとともに、閣議決定した雇用促進住宅廃止を撤回し、避難住居にあてることを提起しました。

 会議では、松本防災担当相が、出された要求について「前向きに検討したい」と応え、18日の第2回会合で回答することを明らかにしました。


共産党の要望項目

 日本共産党が16日に開かれた政府・各党震災対策合同会議に提出した「福島原発事故に関する要望項目」は以下の通りです。

 1、原子力安全委員会のもとに専門家の力を総結集して対応する

 原子力安全委員会に情報を集中し、必要な権限を与える。原子力安全委員会の体制をフル稼働させるとともに、あらゆる専門家の英知を結集する。気象庁、放射線医学総合研究所との連携を強化する。

 2、最悪の事態を想定して対策をとる

 原子炉内の放射性物質が大量に放出される最悪の事態も想定して、福島原発周辺地域とともに東日本の広域での避難計画を準備する。その際、風向きを考慮したさまざまな計画、地震津波の被災地への特別の対策が必要である。

 原発周辺住民の避難先に、ただちにヨウ素剤を配布する。東日本全域でのヨウ素剤配布に備える。

 3、放射性物質拡散への対応をとる

 放射性物質の拡散状況を常に把握し、明らかにするために、行政、大学・研究機関、民間企業等の協力を組織して、放射線モニタリング体制を強化する。モニタリングデータを速やかに公表するとともに、主要な核種ごとのデータを把握し公表する。

 被ばく検査と除染をすみやかにできるよう、全国的な協力をはかり、体制を強化する。

 放射線量や被ばくの程度に応じて住民がとるべき対策について周知する。

 4、原発事故に関する情報を積極的に公開する

 福島第1原発、第2原発の全体的な被災状況を明らかにするとともに、現在とっている対策だけでなく、その後の見通しを含めて情報を積極的に公開し、国民が状況を理解できるようにする。行政機関が持つ情報を積極的に公開するとともに、民間企業にも情報提供への協力を要請する。

 5、福島原発周辺から避難・屋内退避した住民の生活を支える

 原発周辺住民は、避難・屋内退避を余儀なくされている。避難生活は長期化しつつあり、その生活を物心両面で支えるため、対策を強める。





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