2011年3月16日(水)「しんぶん赤旗」
3日ぶり 被災地に「赤旗」
“住民を励まし頑張れる”
岩手・盛岡地区委
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「待ち遠しかった」。岩手県滝沢村の佐々木清七さん(83)は、15日朝届けられた14日付の「しんぶん赤旗」日刊紙を手に、目を細めました。大きな被害をもたらした東日本大震災を報道する紙面を1面からめくり、3面の「福島原発 被ばく 広がる不安」に目を止めました。「やっぱり『赤旗』だな。『なるほど』と思うことが多い。『赤旗』を読まないと張り合いがない」
困難な中でも
配達したのは、党柳沢支部の佐藤寿喜支部長(57)です。3日ぶりに日刊紙を受け取った佐藤さん。「ヨシッ!」と声が出ました。「科学的な分析にもとづいて、大きな困難のなかで深いところから住民を励ますことができる新聞は『赤旗』しかない。一緒に頑張ろうという気持ちになります」。午前3時半から始めた配達の途中、つけっぱなしのカーラジオから、無事が確認された同村出身の青年の名前が流れました。「よかった。今日はいい日になる」。声を弾ませました。
東北6県では、「赤旗」を印刷している、あかつき印刷北上工場が地震の被害を受け、12、13両日の日刊紙を読者に届けることができませんでした。党の事務所には、読者から、「1日遅れでもいいから、何とか『赤旗』を届けてほしい。どうしても読みたい」など、要望が寄せられていました。
14日から、東京で印刷した日刊紙を青森、秋田両空港経由で東北6県に配送することになりました。輸送関係者、配送する運転手さんの必死の努力で実現しました。配送そのものが不可能な地域もずいぶん残されています。
力合わせ配達
14日付が盛岡地区事務所に着いたのは同日午後7時。機関紙部長をはじめ地区のスタッフがいっせいに読者への「おわび」を折り込み、手分けして配達担当者に届けました。
佐久間正行地区委員長は「映像や写真を見るたび、耐えられないつらい気持ちに襲われます。多くの党員が震災で大切な人を失い、安否を心配しながら、配達に参加してくれています」と感謝の思いを語りました。少なくないガソリンスタンドが売り切れで閉店し、購入のための車の列が100台を超えるなど、燃料が不足。配達に必要なガソリンの確保も困難になっています。 (秋山強志)
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