2011年3月15日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流

　東日本大震災が発生した直後の１２日未明、数台の車に分乗した本紙記者が赤旗編集局を出発しました。目的地は、震災の取材拠点となる宮城県仙台市の東日本総局。現地の記者と共に一刻も早く被災地の実態を伝えるため陸路を急ぎます▼高速道路は不通で、一般道路を走行。被災地の家族や企業支社に向かうのでしょうか、支援物資を満載した車が目立ち渋滞の連続です▼福島県白河市付近を走行中、突然カーナビゲーションの画面に警告音とともに「緊急メッセージ」の表示が。「福島原発周辺半径２０キロ圏内避難！　立ち入り禁止！」。おりしも携帯電話のテレビでは、東京電力福島第１原発の１号機で爆発がおきたとのニュースが流れています。恐る恐るカーナビで原発までの距離を測ると約１００キロ。しかし、とても安堵（あんど）の気持ちにはなれません▼長時間をかけてたどり着いた仙台市の惨状は目を覆うばかりでした。訪ねた避難所では、妊娠５カ月の娘と連絡がとれないと泣きながら記者に訴えてくる女性も。津波での想像を絶する被害、原発震災の拡大…。かつて経験したことのない現場です▼しかし、住民は手を携えています。避難所運営には町内会役員や震災ボランティアがあたっていました｡商店街では｢営業できないから」と無料で料理をふるまう飲食店も▼現地対策本部を設置した日本共産党の新聞としてやるべきこと。被害の実情と被災者の願いを徹底的に伝えなければ。余震の続くなか､決意を固めあっています｡

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