2011年3月13日(日)「しんぶん赤旗」
東日本大震災
仙台市 食料配給めど立たず
停電が続く仙台市内では信号機が点灯しない場所も多くあります。スーパーやコンビニエンスストア前には食料や飲料水などを買い求める人たちが、長いところで100人以上行列をつくっていました。
携帯電話がつながりにくいため、公衆電話には長いところで30人以上が行列をつくりました。
避難所の一つの長町小学校(仙台市太白区)には正午までに1120人が避難しました。担当の市職員は「食料の配給や炊き出しの開始は、まったくめどが立っていません。2〜3日分の食料は各自で確保してほしい」と呼びかけています。
ガラスの破片などで自宅が危険なため避難した女性(85)は「一番困っているのは、食べ物が何もないこと。この年じゃ、スーパー前に長い時間は並べないので、周りの人から分けてもらっています」。
小学3年、1年生の女児を連れ避難した女性(35)は、スーパーで弁当などが売り切れていたため、ゆでだこ、キンカンなどを買いました。「ほかに食べ物がなかったので、仕方なく買いました。おにぎりやカップラーメンがほしい」
避難所は断水のため、トイレの使用を制限しています。専業主婦の女性(48)は「悪臭がひどいトイレに行くのがいや。体調を壊すかもしれないけど、なるべく水を飲まないようにしています」と話しました。
全日本民主医療機関連合会(民医連)加盟の宮城厚生協会・長町病院には、落下物にぶつかり負傷した人たち約20人が、自家発電による薄暗い明かりの中で順番を待っていました。
11日夜は、デイケアを受けた人などが帰宅できず、一時的に避難所のようになったといいます。同病院の大山泰人事務長は「入院患者たちが無事にすごせるよう病院あげて対応しています。建物も壊れ患者に不安もあるので、落ち着いてもらうことが大切だと思います」と話しました。
青葉区内のガソリンスタンドは終日、長い車列が続きました。 (唐沢俊治)