2011年3月12日(土)「しんぶん赤旗」

主張

巨大地震発生

全容把握と救出救援に全力を


 11日午後、東北の三陸沖を震源として発生したマグニチュード8・8の大地震は、各地に大きな被害をもたらしています。地震による直接の被害に加え、大きな津波が日本列島の広い範囲を襲い、その後も続いた余震と合わせ、建物の倒壊や浸水、火災などの被害が相次いでいます。亡くなったりケガをしたという知らせも相次いでいます。

 日本共産党は直ちに志位和夫委員長を本部長とする対策本部を設置しました。被害の全容をつかみ、被災者の救出・救援に全力をあげることが必要です。

かつてない規模の地震

 今回の地震は日本では地震の観測が始まった明治以降初めてという超巨大地震です。記録のうえでは江戸時代末期の「安政東海地震」と「安政南海地震」(いずれも1854年)がマグニチュード8・4だったといいますが、今回の地震は誰も体験したことのない規模の地震です。気象庁は今回の地震を、「東北地方太平洋沖地震」と命名しました。

 高さが10メートルに達したところにあるとみられる津波の規模も、かつてないものです。その後の余震も、三陸沖や福島・茨城沖など、広い範囲を震源として発生しています。テレビの映像では、火災で炎上するビルや押し寄せる津波で流される船や建物を映し出していますが、かつてない規模の地震と津波がどれほどの被害をもたらしているのか、想像を超えています。

 自動停止した福島第1原発では、放射能漏れの恐れがあるというので避難指示が出されています。東京など首都圏では大量の帰宅困難者が発生しています。地震の際原発や大都市が直面する問題を浮き彫りにしています。

 今回地震が発生した東北地方の太平洋岸は、太平洋プレート(岩板)など複数のプレートの境界にあり、これまでもたびたび大きな地震が発生していた場所です。プレート境界でたまったひずみが限界に達し、周期的に巨大地震が発生することが知られています。今回の地震ではプレートの境界が大きく動き、大きな断層ができて、広い範囲で余震が発生しているとみられます。断層で海底が大きく盛り上がり、津波も広範囲に押し寄せているとみられます。

 いまから16年前発生した阪神・淡路大震災では建物の倒壊とともに地震とほぼ同時に発生した火災で大きな被害がでました。今回の地震では地震そのものによる被害に加え、大きな津波によって建物が水没したり、押し流されたことでも大きな被害がでていることが予想されます。被害は広域です。一刻も早く被害の全体像をつかみ、救援の手を差し伸べることが不可欠です。

被害を最小限に防げ

 なにより重要なのは人命を確保することです。地震によって倒壊した建物の中や、津波で水につかったままでは生命が脅かされる恐れがあります。震源に近い東北地方はまだまだ真冬の寒さが続いています。救援活動を急ぐことがなにより重要です。

 地震による被害を最小限に防ぐのは政治の責任です。夜になっても地震や津波はおさまっていません。電気やガスなどライフラインの被害も深刻です。救援の手が遅れて被害が増えることがないよう寸刻を争う対策が求められます。





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