2011年3月11日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 沖縄に住む知人から電話がありました。「地元の新聞にぜひ読んでもらいたい記事が載っている。全国の読者にも伝えてほしい」と▼送られてきた新聞は、8日付「琉球新報」でした。その記事は社会面トップ。「『聞いた話と違う』」の見出しが大きい。あらましを紹介します。―米アメリカン大の学生14人は、日米関係や沖縄の基地について勉強してきました▼昨年12月3日、国務省でメア日本部長の講義を受けます。部長の口から、沖縄県民を「ゆすりの名人」「怠惰」と決めつける言葉が飛び出します。学生たちは半月後、沖縄を訪ねました▼沖縄戦の激戦地だった糸満の壕(ごう)の中へ。住民の悲惨な体験に、多くの学生が涙します。普天間基地は危険だと感じ、基地を拒む名護の稲嶺市長とも会い、現実を知ります。「米国は沖縄の人々を傷つけている」▼米軍ヘリパッド建設に抵抗する住民の話も聞き、「わずかな人数で大きな米軍と闘っている」と、勇敢さに驚く。想像を超える現実だったのでしょう。なぜ憲法9条を大事にする人がいるのか疑問だった学生も、わけを理解したとか―。学生がメア氏の発言を明かし、彼は辞任に追い込まれました▼それにしても、地元紙と本土の全国紙の違いといったら。「琉球新報」8日付は、1面のほとんど、2・3面と社会面の見開き、さらに経済面でもメア発言について報じます。全国紙が、いつまでもアメリカに遠慮し沖縄に冷たいようでは、メア発言のような事件がまた起こるかもしれません。





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