2011年3月9日(水)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
それは、午前のミルク給食の時でした。すさまじい音がして揺れる学校。火だるまの児童が水のみ場へ走り、倒れました▼1959年、いまの沖縄県うるま市、宮森小学校。米軍のジェット戦闘機が墜落・炎上し、児童11人と市民6人が亡くなり、210人が負傷した事件です。助かったものの記憶を失った子もいました。教師は後々まで、児童たちを救えなかったと苦しみます▼きのう、沖縄県議会に52年後の宮森小の児童たちの姿がありました。彼らは傍聴した議場で、伝え聞いていた事故を思い起こしたかもしれません。本会議が決議しました。アメリカ国務省メア日本部長の発言の撤回と謝罪を、と▼「沖縄の人々はごまかしとゆすりの名人だ」「沖縄県民は、あまりにも怠惰でゴーヤーを栽培できない」。聞くにたえない発言の数々です。“正確に伝えられていない”と語る部長。国務省で彼の講義をきいた米大学生は、「メモに自信がある」といいます▼メア部長は、沖縄の総領事だった5年前、「普天間基地はとくに危ないとは思わない」とのべた人。かつて米軍は、沖縄に軍政をしいて占領していた時代に次の言葉も残しています。「軍政府はネコで沖縄はネズミ。ネズミはネコが許す範囲でしか遊べない」▼当時の占領者気取りのような、「ゆすり」「怠惰」発言です。銃とブルドーザーで土地を奪い、事故や犯罪で県民の尊厳を奪ってきたアメリカの高官に、どうしてこんなにいわれなければならないのか。あいまいにできません。