2011年3月9日(水)「しんぶん赤旗」
TPP加盟で自給率下がる
紙議員追及に 戦略相、否定できず
参院予算委
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日本共産党の紙智子議員は8日の参院予算委員会で、政府が参加を検討している環太平洋連携協定(TPP)によって大量の輸入農産物が入ってくるため、政府が唱える食料自給率の引き上げは不可能になると述べ、TPP交渉参加撤回を要求しました。
紙氏は、政府の「食料・農業・農村基本計画」で、2020年までの食料自給率(カロリーベース)を40%から50%に引き上げるため、小麦を戦略作物として位置づけ、生産を88万トンから180万トンにする計画であると指摘。「TPPで関税がゼロになったら、大量に小麦が入り、自給率は上がるどころか下がる」とただしました。
菅直人首相は、「どのように可能になるのか議論している」としか答えられませんでした。
紙氏はまた、「輸出を増やせば自給率は上がる」との政府の言い分について、FAO(国連食糧農業機関)が定めている食料自給率の計算式を示し、「関税がゼロになって輸入が増えれば、それ以上の量を輸出しなければ自給率は下がることになる」と指摘。玄葉光一郎国家戦略相は「輸入量が一定という前提で言ったもの」「(輸出増は)簡単ではない」と自給率向上につながらないことを認めました。
紙氏は、米国では価格が日本の4分の1のコメを年間400万トンも作っており、日本のコメ輸出は2000トンにも満たないことを示し、桁違いの輸出増は非現実的だと批判。「自給率を上げようとする時にまず輸出で競争というのは邪道」「自給率引き上げに逆行するTPP参加はすべきでない。現役農家を支えることをやるべきだ」と主張しました。
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