2011年3月8日(火)「しんぶん赤旗」

都の汚染調査 欠陥

築地移転予定地 除去策も講じず

吉田都議追及


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(写真)パネルを示し石原都知事(手前)を追及する吉田信夫都議=7日、都議会予算特別委

 日本共産党の吉田信夫東京都議は7日の都議会予算特別委員会のしめくくり総括質疑で、都が築地市場(中央区)の移転先とする東京ガス工場跡地(江東区豊洲)の土壌汚染をめぐり、同社田町工場跡地(港区)の調査を例にあげ、有楽町層(東京にある沖積層上部の粘土・シルト層)内部の汚染調査と除去策を講じない欠陥を追及しました。

 都は豊洲地区で「有楽町層の中のシルト層は水を通しにくい不透水層なので汚染物質が地中深くに浸透しない」として、有楽町層のまともな調査もせずに移転計画を強引に進めています。

 東京ガスが2006年に行った田町地区の土壌汚染調査結果では、有楽町層の下の「土丹(どたん)層」まで汚染状況を調べ、地中約十数メートルの地点までのシルト層など不透水層やその下部でも環境基準を超えるベンゼンやシアン化合物を検出していました。

 都が食の安全・安心を優先すべき豊洲地区では有楽町層の内部をまともに調べず、同層の上部や上端で汚染が見つかってもその直下2メートルで汚染が見つからなければ調査を打ち切り、対策も講じない立場を取っています。

 吉田氏は「シルト層などは不透水層で汚染を通さないという汚染対策の大前提が崩れた」と批判。調査をやり直し市場会計予算案の豊洲移転関連経費は削除するよう求めました。

 岡田至中央卸売市場長は「シルト層が即、不透水層とは言っていない」と従来の答弁を訂正せざるを得ませんでした。

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