2011年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
特養待機は40万人
増設へ国有地利用など提案
参院予算委で山下議員質問
日本共産党の山下芳生議員は7日の参院予算委員会で基本的質疑に立ち、高齢者も家族も苦しんでいる介護の実態を告発し、「解決の道は一つ。きちんとした受け皿をつくることだ」と述べ、国の責任で増設するよう求めました。菅直人首相は、「おっしゃる通り。サービス提供ができる体制が必要だ」と答えました。
高齢者と家族苦しめる介護の実態
菅首相 “検討項目に入れる”
|
山下氏は、介護保険導入から10年間で特養ホームの待機者数が約10万人から同42万人になった事実(グラフ)を示し、介護のため離職せざるをえない実態が広がっていると指摘。細川律夫厚労相は、離職者は13万人にのぼると答弁しました。
山下氏は、口から食事をとれない「経管栄養」の要介護者のみを対象にした「寝たきり専用賃貸住宅」が急増していることを指摘。オムツから医療、看護、介護まで特定業者と契約させ、終末期だと事業者が判断すれば病院に搬送もしないやり方を告発し、「これが介護、医療といえるのか。お年寄りの人生の最後を食い物にするものだ」と追及。菅首相は「本人のためになるのか考えないといけない」と答え、細川厚労相は実態調査を約束しました。
山下氏は、特養ホーム整備のための国の補助金が減らされ、東京都や大阪府では補助金単価が半減となっている事実を示し、「国がブレーキをかけるのをやめ、アクセルを踏み込むべきだ」と主張。定員100人の特養ホームを年間800カ所つくれば、5年間で民主党が公約に掲げた40万人の待機者を解消できると述べました。その財源は大企業・大資産家減税の5分の1、4000億円あればできるとして、未利用の国有地利用など具体策を提起。菅首相は「検討すべき項目に入れる」と答弁しました。
|