2011年3月7日(月)「しんぶん赤旗」

前原外相へ新たに50万円

別の脱税関連企業から

民主党・野田財務相、みんな・渡辺代表へも


 巨額脱税事件で逮捕され、有罪判決を受けた男性が関係する企業から50万円の資金提供を受けていた前原誠司外相が、別の関係企業にも50万円分、パーティー券を買ってもらっていたことがわかりました。(「政治とカネ」取材班)


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(写真)前原外相らに資金提供していた「メディアトゥウェンティワン」などが入居していたビル(左端)=東京・麹町

 この会社は、「クレイヴ」(東京・港区、資本金1億円)。登記簿謄本などによると、2009年10月1日に移転するまで、前原氏のパーティー券を買う形で50万円の資金提供をしていた「メディアトゥウェンティワン」と同じ東京・千代田区麹町のビルに所在していました。「経営コンサルタント業務」「労働者派遣業務」などを目的欄に掲げています。

 代表取締役の一人は、04年5月に、競馬予想の情報提供会社「ユー・エフ・ジェイ」の巨額脱税事件で実質的経営者とともに逮捕された3人の社員のうちの一人。実質的経営者だった男性は、1988年に覚せい剤保有で逮捕された暴力団関係者です。

 クレイヴのこの代表取締役は、06年に民主党本部のパーティー券を各40万円購入していた関係会社「メディアート出版」「メディアプロダクション」の役員に、実質的経営者だった男性とともに名前を連ねていました。

 クレイヴが購入していたのは、「まえはら誠司東京後援会」が09年4月に東京都内で開き、約1800万円を集めたパーティー券。「トゥウェンティワン」社の50万円とあわせて100万円が、脱税関連企業によるものだったことになります。

 前原氏は4日の参院予算委員会で、「脱税でつかまった企業の関連会社を調べていて、全体像がわかった段階で全額返還したい」とのべました。

 民主党本部のパーティー券についても、クレイヴは、07年6月に50万円、08年7月に30万円の計80万円分、購入していました。

 また、クレイヴは、野田佳彦財務相の関係政治団体「野田よしひこ後援会」が07年に開いた「政治活動20年を祝い激励する会」のパーティー券を40万円分購入。野田氏は、メディア不動産開発の40万円とあわせて計80万円を返還したとしています。

 一方、「みんなの党」の渡辺喜美代表の資金管理団体「温故知新の会」が09年に開いた「出版記念セミナー」のパーティー券46万円分も購入。渡辺氏も「トゥウェンティワン」社の44万円とあわせて計90万円について、返還手続きをしたとしています。





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