2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
アナログ放送の停止急ぐな
JCJと「放送を語る会」共同シンポ
日本ジャーナリスト会議(JCJ)と、市民や放送労働者の団体「放送を語る会」は5日、東京都内で「アナログ放送の停止は急ぐな〜地デジ難民をつくらないために」と題したシンポジウムを共同で開催しました。砂川浩慶・立教大学准教授が講演し、「国民が円滑に地デジに移行できるよう7月24日のアナログ終了を延期すべきだ」と訴えました。
砂川氏は、総務省や産業界、マスメディアも加わった「地上デジタル推進全国会議」が1月24日に発表した「完全デジタル化最終行動計画」について、「生活弱者の視点がない。大政翼賛的な移行計画は必ず破たんする」と批判。「テレビは社会基盤なのに、10%の世帯でテレビが見られなくなる。国が人災をつくっていいわけがない」と語りました。
会場からは「高齢者の準備は大変。地デジチューナーを支給する支援策だけでは十分ではない」「神奈川県鎌倉市では約7800世帯がデジタル難視聴地域だが、ケーブルテレビ加入には高額な費用がかかる。とても納得できない」などの実情が寄せられました。
シンポでは、総務相とNHK会長、民放連会長らに宛てた「アナログテレビ放送の一斉打ち切りを見直し、『段階的停波』を求める」署名に取り組み、世論を広げていくことが提起されました。