2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
コートジボワール
「現職」派と新政権派対立
内戦再発の恐れ 避難民13万人
昨年11月に大統領選挙が実施された西アフリカのコートジボワールでは、敗北を認めないバグボ大統領政権派と、国連をはじめ国際社会も当選を認めたワタラ氏の新政権派との対立が続き、全面的な内戦の再発も懸念される事態になっています。
国連コートジボワール活動(UNOCI)は3日、この対立で少なくとも365人が死亡したことを確認しました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移住機関(IOM)によると、暴力から逃れた避難民は13万人に上り、隣国リベリアにはこのうち7万人が流出しています。
生産量世界一のカカオは今年も豊作でしたが、ワタラ政権がバグボ派の資金源を絶つために輸出を禁止。このためコートジボワールの港には輸出できないカカオが43万トン以上滞貨しているといいます。
バグボ派は禁輸を無視するように業者に命じたものの、ワタラ政権に同調する欧州連合(EU)などが輸入を禁止。業者は資金回収ができず、カカオ生産そのものへの影響も懸念されています。
コートジボワールは2002年9月、バグボ大統領暗殺を狙った軍事クーデター未遂事件をきっかけに翌年1月まで内戦になり、反乱軍が北部の実効支配を固めました。
旧宗主国のフランス、近隣諸国で構成される西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、アフリカ連合(AU)などの仲介で昨年11月、分裂した国家を再統合する第1段階となる大統領選挙をようやく実施。その後も両派の調停が続けられていますが、解決への糸口はつかめていません。 (夏目雅至)
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