2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」
“非正規にも厚生年金”
意見聴取 加入求める声相次ぐ
社会保障検討会議
「税と社会保障の一体改革」を議論する「社会保障改革集中検討会議」が5日、首相官邸で開かれました。非正規労働者を厚生年金に加入させるべきだとの意見が相次ぎ、これに対し菅直人首相は「ほとんど合意できていると思う。事業主に理解をいただくように、私なりに全力でやってみたい」と述べました。
会議では駒村康平慶応大学教授が、年金制度の空洞化の原因を「非正規労働者の増加によるもの」と指摘。国際的な水準からみると年金に対する日本の企業負担は、「もう少し上げてもおかしくない」と語りました。
別の参加者は、1時間でも働いたら事業主に年金保険料を負担させることを目指すべきだとして、短時間労働者も厚生年金に加入させるように主張。非正規労働者を加入させるためには、「(保険料負担を嫌う)企業の反発とうまく整合性をとれるのか、総理のリーダーシップにかかっている」と述べました。
与謝野馨経済財政担当相は会議後の記者会見で、「非正規で働いている方にも社会保障の恩恵が行くということを考えなければならない」と語りました。
会議では年金問題のほかに、医療、介護、子育て支援、貧困問題に取り組む有識者からもヒアリングを行いました。