2011年3月1日(火)「しんぶん赤旗」
大阪市の国保滞納、学資保険差し押さえに待った
共産党の追及受け、市長が方針変更
子どものための学資保険までむしりとる国民健康保険料滞納世帯への制裁に怒りが広がっている大阪市。平松邦夫市長は「丁寧な対応」(25日の記者会見)をすると表明しました。大阪市の国保をよくする実行委員会などの府民運動と結び、日本共産党の志位和夫委員長の国会質問や党市議団の論戦で、人権無視のやり方が変更を余儀なくされました。
2月2日の衆院予算委員会で、志位氏は学資保険差し押さえを通告された大阪市内の飲食店主からの訴えを紹介。「子どものため、こつこつ積み立ててきた学資保険まで差し押さえる。あまりにひどい事態だ」とただすと、菅首相も「胸の痛む思い」と答えました。
大阪市議会でも10日の民生保健委員会で、北山良三市議(西淀川区)が差し押さえの撤回を要求。22日の本会議では、せと一正市議(此花区)が代表質問で「子どもの教育・進学のためという目的で掛けている学資保険を差し押さえることは行政がやってはならない」と迫りました。
平松市長は「関係法令に基づき、滞納処分を行っている」と答弁。せと市議は「進学したいという青年の希望をふみにじっても構わないというのか」と再質問で追及しました。
記者会見で平松市長は「共産党からあった学資保険の差し押さえについて改めるべき点がある」と表明。「少額の学資保険を苦しい家計のなかから子どものために営々と積み立てている場合には留保する」と指示したことを明らかにしました。