2011年2月26日(土)「しんぶん赤旗」
通信衛星を軍事利用
吉井議員 宇宙軍拡・利権を批判
予算委分科会
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日本共産党の吉井英勝議員は25日の衆院予算委員会分科会で、自衛隊が民間通信衛星を事実上の軍事通信衛星として使っている問題を追及しました。
自衛隊は三つの民間通信衛星・スーパーバードに軍事用の周波数のX帯中継器を搭載し、その情報をインド洋での給油活動など米軍支援の派兵活動に使っています。吉井氏は、この中継器の所有社は三菱電機など軍需産業が出資して設立した「エム・シー・シー」社だと指摘。社員の半分近く(32人)が防衛省の天下りで収入もすべて防衛省の受注という、軍需産業と癒着した「自衛隊の軍事用通信専門会社」である実態を明らかにしました。
防衛省が来年度予算案で2015年に運用が終わる通信衛星の後継機の、X帯中継器の製造費用も計上していることも示し、「事実上、自衛隊専用の軍事通信衛星を持つことではないか」とただしました。北沢俊美防衛相は「この分野は極めて特殊。どういう方法があるのか検討していく」と述べました。
また、吉井氏は兵器や軍事技術の輸出を禁じた武器輸出三原則は、平和国家としての理念に基づく国是だと強調。自民党政権時でさえ国是と明言してきたことを示し、見解を問いました。
北沢防衛相は、「さまざまな考えがあってしかるべきだ。新しい道を模索することも必要」と国是変更する姿勢を示しました。吉井氏は「自民党でもできない非常に危険な道を突っ走ろうとしている」と批判しました。