2011年2月25日(金)「しんぶん赤旗」
国、全員救済応ぜず
発症後20年経過 切り捨て
B型肝炎 北海道訴訟
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集団予防接種の注射器使い回しによってB型肝炎ウイルスに感染した被害者が、国に損害賠償を求めている裁判の和解協議が24日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)で行われました。和解協議は今回で14回目です。
弁護団によれば、国側は「発症後20年以上の患者を救済する法的責任はない」と長期間苦しんできた被害者を切り捨てる態度を示し、解決の先送りをしました。
前回の和解協議で国と原告の双方は、肝炎患者、死亡者に1250万円から3600万円、キャリアーに50万円を支払うなどとした裁判所の和解案受け入れを表明。原告側は和解条件として、発症後20年を経過した患者や二次感染被害者の救済、国の責任の明記と謝罪、再発防止と恒久対策を求め、国が「次回までに検討する」と回答していました。
全国原告団・弁護団は「予防接種法の施行から40年間、注射器の使い回しを放置し続け、先行訴訟の最高裁判決が出るまで17年間責任を否認し続けた国が、発症後20年を経過したとして被害者を切り捨てることは正義に反している」と表明しました。
報告集会で、全国原告団の谷口三枝子代表は「国の態度に怒りを覚えます。菅首相は政治決断で一日も早い解決をしてほしい。全員救済までたたかいぬきます」と語りました。
次回の協議は3月4日の予定です。