2011年2月25日(金)「しんぶん赤旗」
薬害イレッサ和解への批判声明
厚労省の関与追及
高橋議員
日本共産党の高橋ちづ子議員は24日の衆院予算委員会で、肺がん治療薬「イレッサ」の副作用被害をめぐる訴訟問題を取り上げ、「一日も早い全面解決」を政府に迫りました。
薬害イレッサ問題をめぐっては、今年1月に東京、大阪両地裁が和解勧告を提示したものの、被告の国と輸入販売会社「アストラゼネカ」は和解を拒否。大阪地裁は25日、東京地裁は3月23日に判決を下します。
高橋氏は、日本医学会など複数の学会が出した和解勧告批判の声明案文を厚生労働省自身が作成していたとされる問題をとりあげ、「厚労省が関与していたとすれば許されない」と批判。細川律夫厚労相は、「事実かどうかしっかり調査する」と答えました。
高橋氏は、厚労省が、和解拒否の理由に「新規抗がん剤の開発は大幅に遅滞する」などと主張していることについて、裁判所の和解勧告は国による「イレッサ」承認を断罪しているのではないことを指摘。「この問題を解決すればがん医療の進展とがん患者全体の利益のために資するものになる」と述べました。
細川厚労相は「裁判所の判決で指摘していただき問題点を整理していくことが必要」と地裁判決を待ってから対応するとの考えを示しました。
高橋氏は、“副作用がない”との情報を信じ「イレッサ」を服用し、わずか2カ月後に副作用で亡くなった実例を紹介。
「問題は副作用の情報があるのにその提供が不十分だったことだ」と主張し、副作用をめぐる情報公開の充実とともに医薬品副作用救済制度への抗がん剤の適用を要求しました。
細川厚労相は「(地裁)判決をうけ、その内容に沿ってしかるべき措置をとる。副作用救済制度の抗がん剤適用も、十分討議し国民の合意を得るべく結論を出す」と答えました。