2011年2月24日(木)「しんぶん赤旗」
公安相、政権批判し辞任
リビア カダフィ大佐孤立深める
【カイロ=小玉純一】反政府デモが広がる北アフリカのリビアで22日、新たにアブドルファタフ・ユニス・オベイディ公安相が最高指導者カダフィ大佐を批判し、辞任しました。法相や多数の外交官の相次ぐ離反で、カダフィ大佐はいっそう孤立を深めています。
同公安相は同日、米テレビCNNの電話インタビューで、東部のベンガジで300人が殺されたと知って辞任したと述べました。また大佐のベンガジ空爆計画を批判。体制崩壊は「時間の問題だ」と見通しを述べ、治安部隊に「蜂起する国民に加われ」と呼びかけました。
公安相は辞任後、ベンガジで何者かに拉致されたと、中東のテレビ局アルジャジーラは伝えています。
一方、アルジャジーラによると、リビア軍艦1隻が23日、ベンガジへの攻撃命令を拒否し、地中海のマルタに到着しました。
同放送によると、同様に反旗を翻したカッセム・ナジャ前空軍将校も「軍は(カダフィ)大佐に何年も抑圧されてきた。いまや大佐に立ち向かっている」と述べています。
他方、国営テレビは同日夕(日本時間23日早朝)、カダフィ大佐の1時間を超える演説を放映。大佐は「私は最後に殉教者として死ぬ」と述べ、徹底抗戦の姿勢を明らかにしました。
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