2011年2月23日(水)「しんぶん赤旗」
カダフィ辞任が国民の声
3分の1が貧困ライン以下
エジプト在住 リビア人活動家に聞く
【カイロ=伴安弘】エジプトの首都カイロのリビア大使館前で21日、エジプト在住のリビア人とエジプト人が共同でリビアの指導者カダフィ大佐の退陣を求めるデモを行い、数百人が参加しました。このデモに加わったリビア人のアッラー・モハメド氏(37)に聞きました。同氏はリビアでは教師を務め、ストとデモに参加したため2年間投獄され、職も失いました。リビアの民主化のために活動し、帰国すれば投獄の恐れがあります。
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すべてのリビア人の要求は一つ、カダフィ(大佐)を辞めさせることです。全国でこの声が上がっています。カダフィ支持デモが起きているとリビアの国営テレビが伝えましたが、うそです。政府の職員が強制的に参加させられているだけです。
私たちはこれまで、憲法制定や政治改革を主張してきました。カダフィはこうした主張をする人たちを投獄し、殺害しました。1996年には裁判抜きで1200人を処刑しました。
彼がつくったジャマヒリア(大衆の国家)とは「大衆の会議」と呼ばれる集会を通じて、人民が統治するというものですが、これはまったくのでたらめです。実際は専制的独裁体制です。「革命委員会」が政府機関、教育、軍、警察などを支配しており、その「革命委員会」をカダフィが指導するという形で、すべての権力をカダフィが握っているのです。カダフィによる個人支配といってもいいでしょう。
リビアが産油国としての収益を国民に分配しているというのは全く、事実に反します。彼が利益を与えているのは彼の側近や革命委員会の人間など、彼の追随者たちだけです。
最新の統計ではリビア国民の3分の1が貧困ライン(1日2ドルで生活)以下で生活しています。また、人口600万のリビアで80万人が住む家もない状態です。人々をアパートに入居させるというのは、この数十年、繰り返されてきた空約束にすぎません。
チュニジアとエジプトで革命が起き、衛星テレビやネットで事態を理解すると、これまで表に出せなかった国民の積もり積もった思いが一気に表に出たのです。
カダフィ独裁は倒れるでしょう。私たちは憲法と議会を持つ民主的で自由なリビアをつくりあげます。
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