2011年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

リビア軍が首都空爆

犠牲者多数 閣僚ら相次ぎ政権離反


 【カイロ=小玉純一】反政府デモが拡大している北アフリカのリビアでは21日、軍の戦闘機やヘリコプターが首都トリポリを一斉に空爆し、多数の犠牲者が出ました。これに対し、国連の潘(パン)基文(ギムン)事務総長が同日、「重大な国際人道法違反だ」と述べたのをはじめ、国際社会が一斉に非難。リビア国内でも閣僚らが抗議し、軍の将校グループが最高指導者カダフィ大佐の追放を国民に呼びかけるなど、政権崩壊寸前の状況となっています。

 カタールのテレビ局アルジャジーラは同日、「戦闘機とヘリが無差別に次々と爆撃している」と報道。アラブ首長国連邦のテレビ局アルアラビアは、同日だけで160人が軍の攻撃により死亡したと報じています。

 こうした事態を受けて、政権離反の動きが広がっています。リビアのダバシ国連次席大使は同日、「虐殺」を非難し、カダフィ氏の早期辞任を要求。駐インド大使などリビアの外交官が住民保護のため国連に関与を求めました。アブドルジャリル法相は軍の「過度の暴力の行使」に抗議し、辞任しました。

 マルタ政府が明らかにしたところによると、リビア軍機2機が同日、地中海のマルタに着陸。パイロットはデモ隊爆撃を命じられたと述べ、亡命を求めました。

 一方、リビアの国営テレビは22日未明、カダフィ氏の姿をわずか22秒ほど放映。同氏は自宅前で「私は首都トリポリにいる。ベネズエラではない。犬どもの放送を信じるな」と海外逃亡説を否定し、あくまで政権にとどまる姿勢を示しました。





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