2011年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

長野・御代田町長選 茂木氏の圧勝

実績、町民の心つかむ

良識が「同和復活」阻んだ


 長野県御代田(みよた)町長選が20日、投開票され、日本共産党員の現職、茂木(もてき)祐司氏(54)が2期目の当選を果たしました。初当選から4年、住民の声に真正面から応えた茂木町政が多くの町民の心をとらえました。(大星史路)


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(写真)再選にわく事務所で喜びの握手を交わす茂木祐司氏(右)=20日、長野県御代田町

 茂木氏は前回より306票伸ばし、4639票(得票率59・5%)を獲得しました。ほかの2人の新人候補(前町議と元町職員)の合計得票の1・5倍となる大差での勝利です。

 町民の支持の輪は草の根のように広がり、茂木選対でもつかめないほどになりました。

 1期4年間の茂木町政の実績が町民の信頼を得たからです。

 4年前、「町を変えたい」という町民の願いに応えて当選した茂木氏は、町政を混乱させてきた部落解放同盟(「解同」)いいなりの「同和事業」をきっぱり廃止。これによって年間4000万円の新たな予算を生みだし、保健師や管理栄養士の増員など福祉充実へ町政のかじを切りました。

後戻りさせない

 前町政での「解同」いいなりの「同和事業」は町を暗くしました。ある町民は「『解同』幹部の顔色をうかがう空気があった」といいます。子どもの何気ない会話も「差別事象」として行政や教育関係者に不当な圧力が加えられました。ゆがんだ「同和事業」が続く中、2006年には担当の町職員が自殺する痛ましい事件が起きるほど異常を極めました。

 茂木町政になって「同和事業」がなくなり、町民も役場も明るくなった今、「町政の後戻りは絶対させられない」というのが、多くの住民の奥底にある気持ちです。

 町長選では、「同和事業」の復活を狙う勢力が会合し、茂木氏の再選阻止に動きましたが、町民はこれを許しませんでした。無所属・町議は「『同和事業』廃止は歴代町長の誰もできなかったこと。茂木町長だからできる」と話します。「同和復活」は許せないと応援しました。

 再選の報を受け、集まった支援者にあいさつした茂木氏は開口一番、「町民の良識の勝利だ。町民が一番心配していた『同和事業』の復活は阻止できた」と語りました。

 町内で機械加工会社を経営する男性(71)も茂木氏の再選に動いた一人です。「町民のために仕事をする茂木町長に勝る人はいない」と話し、「これからも福祉の充実、健全な財政運営を続けてほしい」と2期目に期待を寄せます。

2期目への決意

 茂木町政が実施した福祉施策は数々あります。高齢者と障害者へのタクシー利用補助は、「通院や買い物に助かる」と評判です。子育て世代では、▽子どもの医療費無料化の対象を小学校入学前から中学校卒業まで拡大▽5歳児健診の開始―などが喜ばれています。

 「同和事業」廃止などで無駄を削減し、国・県の補助金の活用で、町の借金を9億円減らす一方、基金を積み増しするなど、バランスのとれた行財政の運営も町民から高く評価されました。

 茂木氏は、2期目にむけ、暮らしが大変なときに雇用や福祉、子育て支援をしっかり行い、町の豊かな自然を守り育てることなど町民とともに町づくりをすすめる決意を表明しました。

 選挙戦では、新人候補陣営から茂木氏が日本共産党員であることを非難する攻撃があり、2人の新人候補に自民党県議や民主党国会議員が応援に立ちました。しかし、住民自身が自主的に支持を広げるために動き、知人から知人へと支持が網の目のように広がることが最終盤生まれました。

 体を張って町民本位をつらぬく茂木氏を町民は選択しました。





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