2011年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

暴力・離婚・失業…

女性への支援どうすれば 東京で討論会

生活再建などのネットワーク強調


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(写真)女性の社会的自立をめぐる課題と支援について東京都社会福祉協議会が開いたパネルディスカッション=18日、東京都北区

 配偶者の暴力、離婚による家庭の破綻、失業による困窮などのさまざまな事情で、社会生活を送ることが困難になる女性が増えています。このほど都内で開かれた女性の社会的自立にともなう課題と必要な支援についてのパネルディスカッションでは、女性や児童を保護・支援する施設、民間団体のネットワークづくりの必要性が強調されました。

 主催したのは、東京都社会福祉協議会児童部会リービングケア委員会(春日明子委員長)。児童養護施設や自立援助ホームなどの職員、学生ら81人が参加しました。

 児童養護施設調布学園の指導員・高橋美帆さんは、中学卒業後の就職や高校の中途退学により児童養護施設退所となった子どもの暮らしを聞き取りで追跡し、支援してきました。

 子どもたちは退所によって年齢不相応な自立を強いられ、仕事や衣食住の確保、その他すべてを独力でまかなう生活への転換を余儀なくされます。

 高橋さんは、「多くが住み込み就労を選ぶものの、不安定な労働条件下で短期の転職をくり返し、生活の不安定につながっていく。施設や学校と切り離され、物心ともに孤立する中、人とのふれあいを求めて性被害にあう子ども、性産業の職を選ぶ子どもも少なくない」と問題点をのべました。

 婦人保護施設・いずみ寮施設長の横田千代子さん(全国婦人保護施設等連絡協議会会長)は、施設の理念を「人間としての尊厳と権利を奪われたすべての女性を、あるがまま受け入れ、心と体の回復を支援することだ」と紹介しました。性的暴力・暴力を受けた女性だけでなく、家庭不和や両親との離別、精神・知的障害、薬物やアルコール中毒などの問題を抱えた利用者が増えています。住まいの提供や生活再建への支援とともに、心の回復のための専門的治療も求められていると発言しました。

 ライターの橘ジュンさん(NPO法人bondプロジェクト代表)は20年にわたり、深夜の繁華街で少女たちに声をかけ、生きざまを取材してきました。

 自由を求めて家出をして上京後、出会い系サイトで出会った男性の子どもを身ごもってしまった少女、他人との交流や信頼を求める一方、「信じられるのはお金だけ」と言う少女などの例をあげ、さまざまな生きづらさを抱えた少女たちに「生きる」意欲を持たせる苦労を話しました。





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