2011年2月20日(日)「しんぶん赤旗」

中東諸国 反政府デモ拡大

政権側強硬 多数の死傷者

バーレーン軍が発砲 イエメン・リビアでも死者


 中東・北アフリカのアラブ諸国で強権的な政権に反対し、民主化を求めるデモが一気に拡大する兆しをみせています。18日には、クウェートやジブチでもデモが行われました。数日来、反政府デモが起きているバーレーンやリビアでは、軍や治安部隊がデモ隊と激しく衝突、発砲し、死傷者も多数にのぼりました。地域の不安定化に懸念を深める米国のオバマ大統領は同日、暴力を非難し、各国政府に自制を求める声明を発表しました。


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 【カイロ=小玉純一】軍が厳戒態勢をとるバーレーンでは18日、首都マナマ中心部の真珠広場に再び近づいた人々に軍が発砲し、少なくとも1人が殺害され、23人以上が負傷したもようです。負傷者が次々運び込まれる病院の医師は「助けてくれ。どうしていいかわからない。頭が撃たれている」と声を上げました。中東テレビ局アルジャジーラが伝えました。

 真珠広場は、民主化を求める人々が泊まり込み、治安部隊が17日未明に人々を強制排除した場所。その弾圧で殺された3人の葬儀が18日、個別に行われ、数千人から2万5千人が参加。「体制打倒」を叫びました。

 バーレーンのシーア派指導者カセム師は18日、強制排除を「虐殺」と呼び、政府が対話を拒絶したと批判しました。

 一方、同国のハマド国王は同日、長男のサルマン皇太子に、危機打開のためすべての党派を含む国民的対話を開始するよう命じました。

 11日から連日反政府デモの続くイエメンでは18日、首都サヌア近くのタイズで数万人が参加する反政府デモに手りゅう弾が投げ込まれ1人が死亡。アデンでも抗議者が1人射殺されました。

 北アフリカのリビアでは東部のベンガジやバイダで15日から反政府デモが続いており、17日までに5都市に拡大しました。英BBC放送によると、ベンガジでは18日、デモ隊が治安部隊と衝突し、デモ参加者20人が死亡しました。またバイダでは、反政府派に一部警察官も加わって、街を制圧したと報じられる事態に発展。巻き返しを図る治安部隊と「戦闘」が続いているといいます。

 また東部トブルクでは17日、反政府派が同国の最高権力者カダフィ大佐の政治社会の見方を示すモニュメントを壊しました。首都トリポリでは18日、カダフィ大佐を支持するデモがありました。

 人権団体アムネスティ・インターナショナルは18日、同国で3日間に計46人が殺害されたと指摘しています。





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