2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」
自前ATMを3月全廃
新銀行東京
銀行の体面も投げ捨て
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東京都から追加出資を受け、経営再建中の新銀行東京(本店・新宿区)は17日、本店に設置している現金自動預払機(ATM)を3月18日に廃止・撤去することを決めました。全国の銀行で自前のATMを持たないのは同行だけになります。
新銀行東京のATMは本店にある3台だけで、1日10件程度しか利用がない日もあるといいます。同行では「ATMのメンテナンスが必要なくなり、コスト削減ができる」と説明しています。
撤去後の3月22日にセブン銀行のATMを本店内に設置しますが、通帳記帳などはできなくなるため、本店窓口での手続きが必要になります。
全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、全国信用金庫協会の会員、全国信用組合中央会も地域信用組合はすべて自前のATMを設置しているといいます。
同行の直近の決算では貸出金利息収入よりも有価証券の利息配当金の方が多く、銀行関係者から「ATM廃止は銀行としての体面も投げ捨てるものだ。ますますノンバンク化する」との声があがっています。
新銀行東京は、最大株主の都が策定した「新銀行マスタープラン」をもとに10店舗、ATM150台余を設置。破綻状態に追い込まれ、2008年に都から400億円の追加出資を受け再建計画を策定。本店以外の9店舗を廃止、地下鉄駅や都庁に設置したATMを撤去しています。
新銀行東京 石原慎太郎知事のトップダウンで都が1000億円を出資して05年4月に開業。08年3月に破綻状態に陥り、赤字分を減資した結果、都出資のうち約855億円を毀損(きそん)しました。都議会の民主、自民、公明が銀行設立に賛成、日本共産党は強く反対しています。