2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」

外務省 密約文書隠しで虚偽答弁

共産党追及 米軍の自由出撃密約

入手しながら「入手せず」

外交文書公開


 外務省は18日、1972年の沖縄返還などに関する外交文書ファイル606冊を東京・麻布台の外交史料館で一般公開しました。このなかで、日本共産党国会議員による追及に関するファイルが複数、公開され、外務省が密約入手問題で虚偽答弁をしていたことが明らかになりました。


写真

(写真)駐米大使に共産党発表の密約文書の入手を指示した外務省の至急電報の冒頭部分と、入手しておきながら「入手する必要はない」とした「想定問答」の該当部分

 外交文書には、志位和夫書記局長(当時)が1997年に記者会見で明らかにした在日米軍の自由出撃に関する密約を記した米解禁文書に関する対応をしるしたものなどが含まれています。

 このうち、「11/14赤旗報道と米保作成対外応答要領」は、志位書記局長が97年11月13日の記者会見で明らかにした密約報道に関するものです。

 外務省は翌14日、「赤旗」などの切り抜きを添付してワシントンの日本大使館に対し、「同党の挙げている下記の米外交文書(7点)を入手の上、至急打電ありたい」と要請しました。大使館は17日、志位氏が挙げた文書のうち3点を米国立公文書館で入手して打電しました。

 それにもかかわらず、外務省日米安全保障条約課が作成した17日付「想定問答」では、政府として文書入手の有無を問われた場合、「御指摘の文書を入手する必要はない」と答えるよう指示していました。

 2日後の19日、日本共産党の古堅実吉議員(当時)が衆院沖縄・北方特別委員会で米解禁文書の入手を迫ったのに対し、外務省の高野紀元北米局長(同)は、「入手する、あるいはそれを確認するという必要性がないという立場だ」と答弁していました。

 実際は外務省が入手していながら、その事実を隠ぺいする虚偽答弁であり、国会軽視の姿勢として重大です。


 自由出撃に関する密約 60年1月19日の日米安保条約改定に伴う交換公文で、在日米軍が「日本防衛」以外の戦闘作戦行動を行う場合は、日本政府との事前協議が必要とされました。しかし、実際は朝鮮半島有事で事前協議なしに自由出撃できる密約=当時の岸首相の名をとって「岸覚書(ミニット)」=が交わされていたことを、志位氏が初めて明らかにしました。





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