2011年2月16日(水)「しんぶん赤旗」
核兵器禁止の交渉を
新「国際署名」を開始
国連事務総長も賛同
「すべての国の政府に、すみやかに核兵器禁止条約の交渉を開始するよう求めます」という、「核兵器全面禁止のアピール」国際署名の発表集会が15日、被爆地の広島、長崎、東京の3都市で開かれました。新署名は原水爆禁止日本協議会(日本原水協)が呼びかけたもので、国連の潘基文(パンギムン)事務総長や広島、長崎両市長をはじめ、内外の幅広い人々が賛同を寄せています。国連事務総長が賛同した核兵器廃絶の国際署名運動は今回が初めてです。
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新署名は、ヒロシマ・ナガサキをくり返させないもっとも確かな保証は核兵器を全面的に禁止し、廃絶することだと指摘。昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議で決めた「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことを実行に移すよう求めています。署名は毎年秋の国連総会に提出します。
日本原水協の安井正和事務局長は広島市で開かれた発表集会で、「核兵器廃絶にむけて世界の平和運動が次のステップに立ち上がる、そのイニシアチブは被爆国の日本から、被爆者とともに発揮すべきだと考えました」と日本の運動の役割を語りました。キーワードは「地域ぐるみ」の運動だと強調。全世界の市民が協力し、連帯して核保有国をはじめすべての国の政府に圧力をかけ、核兵器全面禁止の合意を実現させようとのべ、日本政府にも、唯一の被爆国としてその先頭に立つことを求めました。
国連の潘事務総長は集会へのメッセージで、「みなさんのキャンペーンが大きな成功を収めることを切望する」と表明。国連のセルジオ・ドゥアルテ軍縮問題担当上級代表からもメッセージが届いています。海外からは、ジョディ・ウィリアムズ氏(ノーベル平和賞受賞者)や、ノーベル平和賞を受けた国際NGOをはじめ31カ国から118団体を代表する170人が賛同を寄せています。
国内の賛同者は、沢田研二(歌手)、瀬戸内寂聴(作家、僧侶)、張本勲(日本プロ野球名球会)、益川敏英(ノーベル物理学賞受賞者)、吉永小百合(俳優)の各氏をはじめ509人です。
自治体首長・正副議長の賛同者は196人になりました。長野県では、首長あるいは議長が賛同した自治体は半数を超えました。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が署名への協力を決め、3都市で開かれた発表集会で代表委員らがあいさつしました。原水爆禁止世界大会実行委員会も15日の総会で、8月の世界大会にむけて署名運動を広げていくことを確認しました。
この日、全国でいっせいに集会や署名行動がおこなわれ、国際署名行動がスタートしました。
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「地域から広げる」 熱気の東京集会
原水爆禁止日本協議会が15日夜に東京都内で開いた新しい署名運動「核兵器全面禁止のアピール」発表集会は、署名を地域から広げようとの熱気にあふれました。
大黒作治代表理事(全労連議長)が主催者あいさつし、高草木博代表理事が署名運動の開始を宣言。国連の潘基文事務局長のメッセージが紹介されました。
日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳事務局長が「被団協として署名に大きくとりくむことを決めました。ともに頑張りましょう」とあいさつ。全国地域婦人団体連絡協議会や日本青年団協議会の代表をはじめ賛同者が次々に登壇し、核兵器廃絶の誓いを新たにしました。
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