2011年2月9日(水)「しんぶん赤旗」

小沢氏側土地購入

「巨額資金、詮索逃れ」

融資行元支店長が証言


 民主党元代表の小沢一郎被告の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件の第2回公判が8日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で行われました。小沢被告への4億円の融資に関わった当時の銀行支店長が検察側証人で出廷し、小沢事務所の特異な不動産購入法を証言。小沢被告側が巨額の手持ち資金を有し、その詮索を避けることを意図したのではと指摘しました。

 出廷したのは、2004年ころ、りそな銀行衆議院支店の支店長を務めた人物です。

 焦点となったのは、手元に購入資金があるのに、定期預金を担保に預金と同額のお金の融資を受け購入するという方法です。

 元支店長は、そのようなことを行う顧客(国会議員)は、他にいないとして、「(自身が関わる)以前にも陸山会への融資事例が社内の稟議(りんぎ)書にあった。世間的な影響を考えてのことなのかなと思った」と証言しました。

 検察側から「世間的な影響とは」と聞かれた元支店長は「陸山会が大金を持っていると詮索されない意味だと思う」とのべました。

 元支店長は、融資の経緯から土地の購入資金に加え、定期預金のための4億円が小沢氏側にあると認識。「8億円以上の手持ち資金があるのだろうと思った」と証言しました。

 公判では、もう1人の検察側証人として信託銀行の元嘱託職員の女性が出廷しました。女性は02年4月3日に小沢被告の自宅を訪問。小沢被告夫人から「今まで使ってきた客間が手狭になり、敷地内に迎賓館のようなものを建てたい。その建設資金にしたい」と夫人ら家族名義の預金6千万円の解約のやりとりを証言。

 また女性が銀行振り込みでの送金を提案したのに対し、小沢被告夫人が「現金で自宅に持ってきてほしい」と述べたと証言しました。


 4億円の融資をめぐる石川知裕被告側の主張 通常の個人や企業なら、購入した不動産を担保にローンを組むことは可能。しかし選挙に落選すれば「ただの人」になる政治家に対し、銀行は預金担保以外の融資は行わない。そのため、預金を担保にした融資となった。(7日の初公判での被告側冒頭陳述などから)

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