2011年2月7日(月)「しんぶん赤旗」
食料高騰
中国
穀倉地帯で干ばつ
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【北京=小寺松雄】中国は昨年、天候不順の影響で食料価格が高騰、前年比で7・2%上昇しました。とくに12月は前年同月比で9・6%上昇しました。政府は野菜の高速道路輸送費免除、学校食堂への資金援助などの措置をとっています。
この食料価格上昇に追い打ちをかけるように、河北、河南、山東など中部の省で昨秋から干ばつが続いています。河南省水利局は「省内の干ばつ被災は1万平方キロ」と説明。山東省の一部では「60年に1度のひどさだ」と訴えています。
この三省を中心とする中部穀倉地帯では、とくに小麦の不作と価格高騰が懸念されています。
中国政府も対応に懸命です。温家宝首相は春節(旧正月)の3日、山東省嘉祥県の農村を視察。ここは昨年9月に麦の種をまいていますが、それ以来、雨も雪もありません。
温首相は土地と苗の状況を詳しく見て、「根の成長は悪くないが、苗が弱い」と心配。これに対し地元の農民が「苗は、春に水と肥料をやれば元気になる」と語りかける場面もありました。
温首相は、干ばつ対策の散水への補助金を約束。また春のかんがい用水の確保を指示しました。
中国メディアによると、政府食料分野のスタッフは「中国の食料在庫は消費量の40%を超えている。備蓄は基本的に大丈夫なので、あとは穀物への投機で高騰が引き起こされることを警戒する必要がある」と述べています。