2011年2月6日(日)「しんぶん赤旗」
過払い金返還に応じよ
武富士被害者ら「1万人訴訟」へ集会
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経営破綻したサラ金大手の武富士が会社更生法を申請し、膨大な過払い金返還から逃れようとしている問題で、「武富士の責任を追及する全国会議」(代表・新里宏二弁護士)は5日、東京都千代田区内で「やろう! 1万人請求訴訟 武富士の責任を追及する市民集会」を開き、被害者ら120人が参加しました。
武富士は昨年10月、会社更生法を申請し、手続きが進んでいます。これには、法的処理によって過払い金返還を大幅にカットしようという狙いがあります。過払い金の返還請求ができることを知らないまま請求権を失う被害者を多く生むことになります。
役員などに悪意または重大な過失があった場合、損害の賠償責任を負うとする会社法429条にもとづいた賠償請求訴訟を、同会議は被害者らに提起。武富士の吉田純一社長や武井俊樹元専務(創業者の故保雄元会長の長男)らに賠償請求をする「1万人訴訟」を呼びかけ、4月の提訴を目指しています。
集会で訴訟について説明した同会議事務局長の及川智志弁護士は、(1)更生手続きを知らない被害者に武富士への請求権があることを知らせ、被害者が連帯する(2)更生手続きで、外資へのたたき売りや被害者への配当が不当に低くされるなど、ひどい更生計画が出てきたときに異議を唱える力をつくる―ことにも訴訟の大きな意義があるとのべました。
東京都内の男性(39)が体験談を報告。「1週間支払いが遅れただけで武富士からは『どうなってるんだ。返せ』といわれた。3年前には返済が終わっているはずなのに、400万円も過払いに。詐欺のようなもので許せない」と訴えました。
同会議では、返還請求や訴訟への参加などについて相談を受け付けています(月〜金曜、午前10時〜午後5時)。電話=047(360)2123