2011年2月5日(土)「しんぶん赤旗」
米軍ヘリから機材落下
農作業男性の30メートル先に
神奈川・寒川
3日午後2時半ごろ、神奈川県寒川町の上空を飛行中の米海軍厚木基地(綾瀬市、大和市)所属ヘリコプターから金属製の円筒形機材が落下しました。
現場は厚木基地から約10キロ離れた住宅街近くの畑。けが人や器物破損などはありませんでしたが、農作業中の男性から約30メートルの場所でした。
落下したのは潜水艦を音波探知するため海に投下するソノブイ(直径約12センチ、長さ約90センチの円筒形の金属製機材)。
厚木基地は、第14対潜ヘリコプター飛行隊に所属する「SH―60F型機」の落下物と認めて回収。同飛行隊は横須賀基地で整備中の原子力空母ジョージ・ワシントンの艦載機部隊の一つで、落下事故を起こしたヘリコプターは相模湾での訓練から帰還中だったといいます。
空母艦載機による落下事故は、09年2月にゴム製部品を落下(厚木基地付近)、10年1月に金属製部品が民家の雨どいを直撃(綾瀬市)、3月に戦闘攻撃機の部品2個を紛失(落下先は不明)―と相次いでいます。
寒川町の山上貞夫町長は4日、「周辺には相模線の線路や民家も密集。一つ間違えば大惨事にいたる」とし、原因究明と再発防止を厚木基地に要請。
大和市の大木哲市長は3日、「毎年のように空母艦載機から部品落下が発生。極めて遺憾」とコメント。綾瀬市の笠間城治郎市長は4日、対策を講じるまで飛行停止を厚木基地に要請しました。
県と基地関係9市の連絡協議会(会長・松沢成文県知事)は4日、航空機の安全管理などを在日米軍司令官、前原誠司外務相、北沢俊美防衛相らに要請しました。
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