2011年2月5日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 先月末、エジプトの首都カイロの街頭で反政府デモに加わる若者たちが叫んでいた、といいます。「私たちはネットに生きるエジプトの若者だ」▼インターネットでつながる人々です。ネットに載る、さまざまな集団の声明や行動のよびかけ。情報のやりとり。ネットを通じて広がる運動に危機感つのらせる当局が、インターネットの接続を断ってしまう一幕もありました▼日本の相撲力士も、ネットのメールで連絡し合っていました。が、明らかにされた限り、力士の人権もないがしろの閉ざされた相撲界の改革について語った形跡はありません。発覚したのは、八百長があったと疑わせる記録でした▼「立ち合いは強く当たって流れでお願いします」「了解致しました! では流れで少しは踏ん張るよ」。翌日、打ち合わせ通りの取組になったのですから、論より証拠。“いつもの調子で…”みたいなお手軽なやりとりが、かえって根の深さをうかがわせます▼「八百長」は、八百屋の根本長造という人にちなむ言葉だそうです。明治の初め、彼はいまの相撲協会にあたる相撲会所に出入りしていました。相撲茶屋も営む彼は、当時の伊勢ノ海親方に取り入ろうとします。親方の好きな囲碁で、わざと負ける。そこから生まれた言葉、といわれます▼しかし、力士自身の八百長が常のありさまなら、大相撲という競技の成り立つよりどころが崩れてしまいます。大相撲はいま、「国技」とよばれ始めた明治末以来、最大の試練のときにあります。





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