2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」処分取り消し訴訟
原告「通達違憲」認めて
東京地裁結審
東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制に従わなかったことを理由に懲戒処分された都立学校の教職員66人の処分取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が3日、東京地裁(青野洋士裁判長)であり、教師、原告側弁護士らが意見陳述をして結審しました。
原告の都立高校教諭の女性は、都教委の「日の丸・君が代」強制の通達が出る以前には、生徒に対して「国歌に対してはいろいろな考えがあるので、自分の考えにしたがって行動してください」と説明していたのに、それができなくなったと陳述。処分を受けたことが影響して、希望しても4年間もクラス担任になれなかったこと、今年度、3年生の担任になれたが、「3月の卒業式で起立しないと停職になるのではないかと不安でたまらない」と語りました。
元都立高校教諭の男性は、戦争で傷ついた人たちの心に塩を塗るように思えて「君が代」を歌わないできたが、職務命令で「君が代」を歌えと命じられたときは憤りでめまいを起こすほど血圧があがり通院が必要になったと陳述。2度目の不起立のとき生徒が「筋を通したね」と声をかけてきたことなどを紹介し、「都教委の通達を違憲・違法だと認め、処分を取り消す判決を出してほしい」と訴えました。
■関連キーワード