2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」
現行保育制度の拡充 「新システム」に反対
31道府県議会が意見書
「利益追求になる恐れ」
保育への国と自治体の公的責任を放棄する「子ども・子育て新システム」を導入しようとする民主党政権に対し、現行保育制度の拡充と「新システム」反対を求める意見書が31道府県議会で可決されていることが、本紙のまとめでわかりました。政令市や東京・特別区、一般市、町村の議会を含めると150議会を超えます。
各地の議会報告をもとに、民主党政権発足後の09年12月から10年12月までの保育制度にかかわる意見書の可決状況を調べました。民主党政権が保育に対する国と自治体の責任を放棄する「新システム」案を出した昨年6月以降は、現行保育制度の拡充に加え、同案に懸念を表明する意見書が相次いでいます。保護者や保育士、保育園経営者、労働組合などでつくる保育団体がそれぞれの議会に請願・陳情し、日本共産党議員団や各会派の賛成で実現しています。
意見書は、「新システム」案について「市場原理の導入により保育所が福祉から利益追求の場になる恐れがある」と懸念を表明し、「国及び市町村の保育の実施が明確に義務付けられている公的保育制度を堅持、拡充すること」(長野県議会)を要請しています。
ホームページで「意見書を提出しました」と紹介している鹿児島県の薩摩川内市議会は「今、国が早急に取り組むべきことは、新システム導入ではなく、現在の公的保育制度を充実させ、早急に待機児童解消のための保育所整備計画を策定し、必要な財政支援を行い、認可保育所を増やす」ことを求めています。
現行保育制度の拡充や新システム反対を求める意見書を可決した道府県議会
北海道、秋田、岩手、山形、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、神奈川、山梨、長野、新潟、富山、岐阜、三重、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、島根、香川、愛媛、高知、佐賀、宮崎、熊本、大分、長崎、沖縄
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