2011年2月2日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「うさぎ追いし かの山」の生まれ故郷は、人々にとって特別な場所です。けれど、ふるさとは生まれ故郷だけではないでしょう▼時々訪ねたい「第二のふるさと」の町や村、忘れられない「心のふるさと」もあります。人それぞれに、いつまでも大切にまもりたいと思う土地を「ふるさと」にしても、おかしくない時代です▼3年前、「ふるさと納税」制度ができました。生まれ育った地方や応援したい自治体に寄付する。寄付した人は、住んでいる自治体の住民税などの控除を受けられる。「ふるさと」を選べるしくみです▼「『ふるさと納税』制度を活用して、名護市を応援しよう」。こうよびかけている人がいます。沖縄大名誉教授の新崎盛暉さん、翻訳家の池田香代子さん、沖縄一坪反戦地主会の上原成信さん、経済学者の宇沢弘文さんをはじめ、25人▼政府は昨年末、辺野古への基地建設に「うん」といわない名護市に対し、「米軍再編交付金」の支払いをやめると通告しました。稲嶺進市長は再編交付金にたよりませんが、政府は、前市政が手がけた学校の運動場や市道の整備にかかわる交付金まで止めます▼「基地に反対するならそれなりの覚悟を」と政府。「名護を孤立させてはなりません」と、連帯の「納税」を訴える25人。その名護は、「あけみおの町」と自己紹介します。あけみおは、夜明けの静かな入り江の青々とした水の流れ。寄せては人々に豊かな実りをもたらし、外の海へと広がりゆく流れ。ふるさとにしたい町です。





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