2011年1月31日(月)「しんぶん赤旗」

“若者に投資必要”

英教育予算削減 学生・教員らデモ


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(写真)「教育を切り捨てると取り返しがつかない」と訴えるプラカードを持つデモ参加者=29日、マンチェスター(小玉純一撮影)

 【マンチェスター=小玉純一】英政府の若者向け予算の削減に反対するデモと集会が29日、マンチェスターで実施されました。参加した学生、大学教職員ら約5000人は、保守党主導の連立政府による大学授業料の最大3倍化、教育維持給付金の廃止、若者の雇用対策のための「将来の雇用基金」廃止などに強く抗議し、撤回を要求しました。全国学生連合(NUS)と大学教員組合(UCU)がデモを主催し、労組の全国組織、労働組合会議(TUC)が集会を主催しました。

 ロンドンでも同日、教育と公的サービス削減に反対するデモが有志団体「教育活動家ネットワーク」の主催で行われ、報道によると学生ら約8000人が参加しました。

 大学授業料の最大3倍化法案が12月に国会を通過し、教育維持給付金の新規受け付けが1月から取りやめとなってから最初のデモです。

 教育維持給付金は貧困世帯の16歳から19歳までの学生に週30ポンド(約3900円)を援助するもの。マンチェスターのデモに参加したフラン・キッパーさん(16)は、「給付金が無いのはとても痛い。通学、教科書の費用にあてるつもりだった」と話しました。

 政府は26日、大卒者の5人に1人が失業中で、今回の不況開始時の2倍となったと発表。

 TUCのケイ・カーベリー事務局次長はマンチェスターの集会で「若者100万人に職がない。若者に福祉手当に頼る生活を続けさせてはならない。経済投資が必要だ。若者は不況や財政危機の原因でない。危機を生みだした金融機関に課税を、国際金融取引税実現を」と訴えました。





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